AIアナリストの今週の振り返り
日経平均は金曜大引けで68,557円73銭、前週比−1.70%と反落しました。ただし中身は荒く、週半ばに2日続けて1,400円超の急落で66,800円台まで沈んだ後、後半2日で800〜900円高の急反発を見せ、下げ幅の大半を埋め戻しています。VIXは15.96から15.02へ低下した一方、日経VIは34.11から38.13へ上昇。米国側の警戒が緩む中でも、国内要因への警戒感は根強く残った一週間でした。NYダウは前週比−0.50%、ドル円は161.64円と、外部環境に大きな変化はありませんでした。
物色の中身を見ると、資金の向かう先が変わりました。業種別の週間騰落率は保険や通信が上位に立つ一方、非鉄・金属、精密機器、電気機器とAI半導体関連が軒並み下位に沈み、前号までの内需回転とも異なる顔ぶれです。売買代金はキオクシア(285A)が首位を守るも続落、代わってソフトバンクグループ(9984)が+10.65%と切り返し、週後半の反発を象徴しました。騰落レシオ(6日)は126.00と前号の162.91から大きく低下し、短期の過熱感は和らいでいます。なお米国では主要ハウスの年末S&P500目標が8,000前後に集まる強気の一方、予想PERは過去40年で88パーセンタイルの高水準。強気の総意と高いバリュエーションの同居は、前号から変わっていません。
上値を抑えうる不確実性として、今号も3点を置きます。①AIインフラ関連への集中構造は変わらず、押し目待ちの資金が需給を左右しやすい地合い。②SpaceX(SPCX)のロックアップ解除が7〜8月に集中する点は前号から継続の観察事項。③VIXが落ち着く一方で日経VIだけが上昇しており、国内固有の警戒要因が残る可能性に留意しています。
出典:日経新聞・世界の株価(7/10)・騰落レシオ(7/10)・kabumap業種別指数ランキング(7/10)・株探(7/10)・Goldman Sachs Research/CNBC Market Strategist Survey(2026年5〜7月)
今週の動き ― 何が、なぜ上がったか
- ソフトバンクグループ(9984)が週後半の反発を象徴する1機。前週まで戻りの鈍さが目立っていたが、金曜は+10.65%の6,370円まで急伸。全体が2日連続で切り返す中、久々に主役級の動きを取り戻した。
- キオクシア(285A)は売買代金トップを守るも、終値77,000円と続落。前号83,300円からさらに水準を切り下げ、AI半導体の資金流出を最も端的に映す1機となった。
- SUMCO(3436)が金曜+15.40%の5,244円と急伸。半導体が総じて売られる中で値上がり率上位に入り、逆行高が目立った1機。
- 村田製作所(6981)は売買代金上位で金曜+4.06%の9,860円。全体反発に乗って買い戻された一方、週を通しては半導体関連の一角として上値の重い展開が続いた。
AI半導体が資金の主役から降りた一週間。戻る機と沈む機の入れ替わりが、はっきり始まった。
出典:株探(7/10)
236会・点灯サイン S4 W2
S4第2週(7/6〜7/10)・27機
- 点滅(ABC+出来高↑)2機:FUJI(6134)・テクノホライゾン(6629) ●●●+点滅
- ABC点灯5機:ボードルア(4413)・笑美面(9237)・豊和工業(6203)・アイサンテクノロジー(4667)・Finatext(4419) ●●●
- A・B点灯4機:フツパー(478A)・ソーシャルワイヤー(3929)・PMV(PMVP)・生化学工業(4548) ●●
- W1フィーバー4機のうちボードルア・FUJI・Finatextは点灯継続。脱落はエーザイ1機のみ
- SpaceX(SPCX)・GO(581A)は25日線が形成途上のため、今週も判定不能
開幕ダッシュ組はほぼ息切れせず、W2からアイサン・豊和・テクノホライゾンが新たにABCを揃えた。点灯銘柄は面で広がっている。スコア首位はボードルア・GOが1.2で並走。
出典:236会レースデータ(S4 W2・7/10)
週刊モメンタムウォッチ
市場全体・定点観測(7/10。先週比は7/3との比較)
🙈 セクター(業種別 前週比)
- 保険(+4.35%)↑NEW
- 通信(+3.29%)↑NEW
- 精密機器(−4.44%)最下位
AI半導体(電気機器−3.61%・非鉄−3.96%)が軒並み下位に。内需回転とも違う顔ぶれ
🙉 値上がり率
- monoAI(5240)↑NEW
- ビープラッツ(4381)↑NEW
- Amazia(4424)↑NEW
小型材料株が中心。大型株の名は上位に見当たらず
🙊 売買代金
- キオクシア(285A)→1位
- SBG(9984)↑2位
- 村田製作所(6981)↑NEW
SBGが+10.65%と反発し2位浮上。戻り局面の主役に
蒸溜所
世界の最前線を、雑味を飛ばして一滴に。
──仕込み中。
AI実験企画 ― タラレバ検証 第4回
先日の236会で、会長がチャートの形の見本にあげてくれたのがサンコール(5985)でした。切り下がっていく上の線に近づくたび、株価が跳ね返されて落ちる。会長はそれを「対空砲火」と呼びました。左手に見える頂点は「ほぼ越えられない」。ただし決算次第で、簡単に超える時もある。今回は下値の支えがはっきりしているから、割れたら全機退避──損切りラインも明確、と。
💥=対空砲火(売り)/✈=買い場。会長の解説をもとに編集部で作図
その線は、本当に撃ってきたか。3月の急騰天井から線は切り下がり、株価はそのあと三度、線へ高度を上げ、三度とも撃ち落とされた。5月下旬に1,880円台、6月中旬に2,000円台、そして6月末。いずれも線の手前で力尽き、1,500円台まで押し戻されている。会長の言うとおり、その線は越えられなかった。
出口が分ける、三つの結末。会長の買い場は、下げてきた株価が5日線を回復した押し目。6月15日、終値1,491円。そこから対空砲火が来る6月22日、1,880円で迷わず降りていたら+26.1%。
いっぽう簡易版MOTAは、会長の目をルールに落とし込む試み。5日線が25日線を上抜けたと確認できるのは6月19日で、株価はすでに2,014円。会長より4日、出遅れている。ここから先、降り方で結果が割れる。
- 対空砲火を知っていれば ― 6/22の1,880円で早めに降りる −6.6%。傷は浅い。その代わり、まだ上がると信じて居座った誰かに、対空砲火を譲ったことになる。
- 対空砲火を知らなければ ― デッドクロスが出る7/3、1,655円まで気づかず持つ −17.8%。
- そもそもMOTAも知らず飛びついたら ― 6/22の1,880円を追いかけて買い、同じく7/3まで持つ −12.0%。
三つとも、会長には及ばない。だが差をよく見ると、どこで買ったかより、どこで降りたかのほうがずっと利いていた。対空砲火を知る目が、いちばん大きな差を生んでいる。
──タラレバです。とはいえ、今回ばかりはタラレバで済ませたくない。対空砲火が来た瞬間、そう素早くは逃げられない。「もし逃げていれば」は、いつも後から言える。難しいのは、その場で引き金を引くこと。対空砲火、肝に銘じておきたい。
※検証は簡易版ルール・特定期間の一例。税・手数料は含みません。チャートは会長の解説をもとに編集部で作図。出典:株価データ(2〜7月・日足終値)/236会