2026.7.17時点のデータで作成しています
管制塔通信
TOWER LOG / 第5号
2026.7.17
相場天気:小康のち暴風雨
管制塔
みんなの翼
宿舎
蒸溜所
書庫
日経平均
-6.44%
64,141
TOPIX
-2.90%
3,919
NYダウ
-0.93%
52,146
ドル円
+0.44%
162.35
VIX
+21.97%
18.32

AIアナリストの今週の振り返り

日経平均は金曜大引けで64,141円12銭、前週比−6.44%と急落しました。崩れ方が特徴的で、週半ばまで67,000〜68,000円台で堅調だったのが、木曜・金曜の2日だけで約4,600円を失っています。第4号の「急落のち反発」とは逆の、静かな前半・終盤崩落・安値引けでした。VIXは15.02から18.32へ急伸する一方、日経VIは38.13→36.86と高止まり、国内の警戒は根強く残りました。NYダウは−0.93%、ドル円は162.35円と小幅な円安。リスクオフでも円が買われず、下げが海外発というより国内・半導体に偏った崩落だったことと整合的です。

物色の中身は、資金の移動がさらにはっきりしました。業種別の週間騰落率は輸送用機器(+9.16%)・海運(+7.12%)が上位に立つ一方、電気機器(−9.47%)・非鉄・素材とAI半導体関連が最下位に沈み、6月中旬に先頭だった顔ぶれが底へ反転しています。売買代金はキオクシア(285A)が首位を守るも、終値52,110円・−16.10%と一日で急落。半導体からの資金流出を最も端的に映す1機です。値上がり率上位は小型材料株やベア型ETF(コスピベア等)が中心。暴落当日も輸送用機器・海運は前日比プラスを保ち、資金が現金に逃げるだけでなく隣の空へ移る同日ローテが確認できます。騰落レシオ(6日)は102.69と前号126.00から低下、ただし25日は114.22でなお100超──総崩れではなく、半導体大型に集中した急落でした。

上値を抑えうる不確実性として、今号も3点を置きます。①AI半導体への集中構造の巻き戻しが続くか──半導体の底打ちは未確認。②SpaceX(SPCX)の第一解禁窓が7〜8月に控え、SK Hynix(SKHY)の大型上場と合わせメモリ周りの需給は重い。③日経VIの高止まりで国内の警戒が残るなか、リスクオフでも円が買われない異例に留意しています。

なお同じ週、習近平主席は上海の世界AI大会でAIの国際秩序を中国主導で築くと演説(7/17)。来日したエヌビディアのフアンCEOは神田の居酒屋に、キオクシア・東京エレクトロン・村田製作所・太陽誘電・信越化学ら半導体サプライチェーン16社の首脳30名超を集めた(7/15)──ジェンスンが杯を交わした相手を、市場は同じ週に叩き売った。

出典:日経新聞・世界の株価(7/17)・騰落レシオ(7/17)・kabumap業種別指数ランキング(7/17)・株探(7/17)/習演説=新華社・人民網(7/17)/フアン来日=NVIDIA公式ブログ(7/15)

今週の動き ― 何が、なぜ下がったか

  • キオクシア(285A)は売買代金トップを守るも、終値52,110円・−16.10%と一日で急落。前号77,000円から週間で約3割を失い、AI半導体からの資金流出を最も端的に映す1機となった。
  • 東京エレクトロン(8035)は65,100円・−8.17%。製造装置の主力も崩れ、太陽誘電(−11.90%)・レーザーテック(−9.66%)・村田製作所(−9.14%)とハイテク大型が軒並み二桁近い下げに沈んだ。
  • サイゼリヤ(7581)は+12.09%と逆行高。7/15の決算会見で社長が「価格改定を視野」と発言し、約6年ぶりの値上げ検討を好感して前日16日はストップ高。全体崩落のなかで個別材料が際立った1機。
  • テラドローン(278A)・SHIFT(3697)もそれぞれ+13.61%・+9.36%と逆行高。全体が崩れる中、小型・非半導体に個別物色が向かった。

半導体が総崩れとなった一週間。個別の急騰劇の裏で、業種別では資金が輸送用機器・海運・内需へと移っていた。主役の交代というより、空そのものが割れた週だった。

出典:株探(7/17)

236会・点灯サイン S4 W3

S4第3週(7/13〜7/17)・27機
  • 点滅(ABC+出来高↑)3機:テクニスコ(2962)・ボードルア(4413)・Finatext(4419) ●●●+点滅
  • ABC点灯1機:笑美面(9237) ●●●
  • A・B点灯3機:PMV(PMVP)・生化学工業(4548)・エーザイ(4523) ●●
  • 前週の点滅2機、FUJI(6134)・テクノホライゾン(6629)はともに点灯消失。FUJIは出来高だけ残し、半導体・装置系の点灯が軒並み消えた
  • SpaceX(SPCX)は25日線が形成途上のため、今週も判定不能

暴落が点灯マップを塗り替えた一週間。前週の主役2機が落ち、代わって高値を更新し続けたFinatext(4419)が点滅で生き残った。スコア首位はGO(581A)が1.4(上場間もないため点灯サインは非点灯)、ボードルア(4413)が1.3で続く。

出典:236会レースデータ(S4 W3・7/17)

週刊モメンタムウォッチ

市場全体・定点観測(7/17。先週比は7/10との比較)
🙈 セクター(業種別 前週比)
  1. 輸送用機器(+9.16%)↑NEW
  2. 海運(+7.12%)↑NEW
  3. ガラス・土石(−9.93%)最下位

電気機器(−9.47%)・非鉄(−8.59%)などAI半導体・素材が総崩れ。6月に先頭だった顔ぶれが底へ反転

🙉 値上がり率
  1. アイズ(5242)↑NEW
  2. コスピベア(2034)↑NEW
  3. JSH(150A)↑NEW

小型材料株が中心。2位のコスピベアはKOSPI(韓国株)の逆行ETF=下げ相場の顔

🙊 売買代金
  1. キオクシア(285A)→1位
  2. 東エレク(8035)↑NEW
  3. 日経レバ(1570)

キオクシアは−16.10%と急落しつつ首位維持。半導体大型とレバETFに売買集中

蒸溜所

世界の最前線を、雑味を飛ばして一滴に。
──仕込み中。

AI実験企画 ― タラレバ検証 第5回

きっかけは、6月中旬。半導体(電気機器)が前週比+16%で駆け上がり、蒼天を高く、ひとり滑空していた頃。あの頂上に立っていた、あなたの資金は、次の4週間、どこを飛んだ?

  • そのまま半導体に留まる(電気機器) ― −8.9%
  • 資金を追って輸送用機器へ乗り換え ― +10.0%
  • 内需(食品)に避難 ― +5.2%
  • 全部降りて、現金 ― 0%

銀行――乗り換えるべきは、その空だったか。しかし結果は、+0.1%。時価総額日本一に輝いた、あの三菱UFJの空ですら、この4週間は実質ゼロ。上げた分を、暴落がぜんぶ持っていった。

留まるか、乗り換えるか。その差、およそ19ポイント。銘柄選びでも、売買タイミングでもない。どこで買うか・降りるかの前に――どの空を飛んでいたか。ただ、それだけ。

──いつものタラレバです。

※セクター指数の前週比を積み上げた概算。個別株ではなく、“どの業種の空にいたか”の数字。出典:kabumap業種別指数ランキング(6/18〜7/17)/236会