株価データは2026.7.31(金)終値/記事の情報は8.2時点
管制塔通信
TOWER LOG / 第7号
2026.7.31
相場天気:大雨のち日差し、風向き一変
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日経平均
-0.39%
64,362
TOPIX
-0.20%
4,003
NYダウ
+1.04%
52,485
ドル円
-3.90%
157.40
VIX
-13.84%
16.00

AIアナリストの今週の振り返り

週足はほぼ横ばいで終わりました。日経平均64,362円、前週比−0.39%。だが中身は、往復4,000円です。

月曜は+320円。火曜、−2,566円。中国の国有企業が先端AIに続いて露光装置の製造を始めたと報じられ、韓国の総合株価指数が取引時間中に10%以上急落したのと共振して、半導体が総崩れになりました。キオクシアはストップ安で5万円を割り込み、日経平均は6月25日の最高値72,366円からの下げ幅が1万円を超えています。水曜も続落。SKハイニックスの決算が発表されたものの株価が失速し、ザラ場では60,448円まで沈みました。75日移動平均線を割り、6万円が視野に入った水準です。

そして金曜、+2,494円(+4.03%)。前日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数が8%高となり、東京では朝から買い戻しが集中しました。アドバンテストとソフトバンクグループはストップ高、村田製作所は決算発表後も買い気配のまま値が付かず。一週間の下げは、一日で戻っています。

木曜の夜、為替が動いた

ドル円は1時間足らずで5円近く急騰して157円台へ。政府・日銀の円買い介入とニューヨーク連銀のレートチェックが観測され、金曜には米財務省もユーロ売り・円買いの介入を実施したと報じられました。日米の協調介入は2011年以来15年ぶり、円買いの方向では1998年6月以来28年ぶりになります。163円台の円安は、一週間で終わりました。

原資はドルではなく、ユーロ。ニューヨーク連銀が財務省の代理で執行し、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーを通したとされます。この部分は現時点で、フィナンシャル・タイムズのみが報じている内容です。

ドルを売れば、ドル安そのものを狙った動きに見えます。ユーロを売って円を買えば、動くのは円だけです。そう読めば、金曜の選択は「ドルの水準には触らない」という意思表示にもなります。

163円台は1986年12月以来、39年7か月ぶりの安値でした。その1986年は、プラザ合意の翌年です。1ドル242円が153円前後まで動いた、その途中の風景。

繰り返されると言うつもりはありません。ただ、市場が同じ名前を口にしはじめた。それは事実です。

日米とも、政策金利は据え置き

日銀は31日、政策金利1%程度で据え置き。29日のFOMCも3.50〜3.75%を維持しました。ただし、中身が違います。

FOMCは9対3。ハマック・カシュカリ・ローガンの3氏が利上げを主張して反対しました。ウォーシュ議長は会見で「今日やったことを『据え置き』と表現したくはない」と述べ、追加利上げの時期には一切触れていません。

市場は、この沈黙のほうを嫌いました。先行きの手掛かりが無いこと自体がリスクだという受け止めが広がり、29日の米国市場でダウは1,153ドル安。米30年債利回りは5.2%台と2007年以来の高さへ上がり、先物市場では9月利上げの確率が約80%まで織り込まれています。今週、株価を押し下げたのは原油ではなく金利のほうです。原油はむしろ下げています。

引け後に、キオクシア決算

4〜6月期の最終利益は8,421億円で前年同期の46倍。ただし会社計画も市場予想も下回っています。7〜9月期は31倍の1兆2,700億円を計画し、株式3分割と8,000億円の自己株取得枠も発表されました。想定為替レートは1ドル=162円。実勢はすでに157円台です。31倍という計画は、円安の側に立っている。

なお、28日の引け後に熊本で地震がありました。火曜の下げは、その前に起きています。個別には休業や操業停止が出ていますが、指数の動きを説明する材料にはなっていません。

週明け(8月3日〜7日)の予定

3日、財務相が今回の為替対応について説明します。キオクシアの自己株取得も同じ3日から。4日の米国市場引け後にはSpaceXが上場後初の四半期決算を出し、その2営業日後からインサイダー株の解禁が始まります。第2号から見てきた供給カレンダーが、いよいよ動きはじめます。同じ4日にAMD、そして7日に米7月雇用統計

上値を抑えうる不確実性・3点

  • ①ドル円 介入後、155円を割りにいくのか、160円台へ戻るのか。3日の説明が最初の手掛かりになる
  • ②9月の利上げ 先物で約80%まで上がった観測が、夏枯れの薄商いのなかでどこまで株価に織り込まれるか。7日の米雇用統計が最初の関門
  • ③キオクシア 予想未達で決算を通過した銘柄を、市場がどう値付けし直すか。自己株取得は3日から始まる

第6号の3点・答え合わせ

  • ①原油と金利、どちらが高PER株を圧迫するか → 金利。ブレント原油は100.69ドルから90ドル前後へ下げており、圧迫したのは原油ではなかった
  • ②AI投資への懐疑は晴れるか深まるか → 週前半に深まり、週後半に晴れた。ただしキオクシアだけは、31倍でも予想に届かず晴れていない
  • ③163円台の円安はインフレ圧力か輸出の支えか → 問いそのものが消えた。介入で157円台

3点のうち2点が同じ週に決着した号は、初めてです。

出典:世界の株価(7/31)・騰落レシオ(7/31)/日経・株探・フィスコ(7/27〜7/31)/FOMC・ウォーシュ議長会見(7/29)=日経・ブルームバーグ・フォーブス/為替介入=日経・時事通信(7/31〜8/2)、介入の中身=フィナンシャル・タイムズ/プラザ合意後の推移=フォーブス/キオクシア決算=みんかぶ・日経(7/31)/原油=ブルームバーグ(7/30)/SpaceX・週明けの予定=株探「来週の重要イベント」(8/1)・外為どっとコム(8/2)/米雇用統計は8/7発表

今週の動き ― 何が、なぜ上がったか

  • アドバンテスト(6857)は金曜+16.34%の32,500円でストップ高。30日発表の27年3月期第1四半期は売上高が前年同期比39.3%増の3,675億円、営業利益は53.3%増の1,900億円。あわせて通期の営業利益予想を6,275億円から8,460億円へ引き上げた。30日も+10.85%で、二日続けての大幅高。週間では+12.3%と、荒れた一週間をプラスで終えた数少ない主力機である。
  • 東京エレクトロン(8035)は金曜+6.24%の55,500円、売買代金は7,955億円で首位。30日の決算で4〜9月期の純利益見通しを44%増へ上振れ、下期はさらに出荷が増えるとした。ただし週間では−11.4%。決算で買われても、火曜と水曜に開いた穴はまだ埋まっていない。
  • キオクシア(285A)は火曜にストップ安で5万円を割り、金曜はストップ高の+17.72%で46,500円。週間では−17.0%。引け後の決算は7〜9月期の最終利益を前年同期の31倍とする計画だったが、4〜6月期の実績は会社計画・市場予想の双方を下回った。

三機とも半導体で、三機とも決算で動いた。それでも一週間の成績は+12.3%から−17.0%まで開いている。装置は買われ、メモリは問われた。「半導体が戻った」と一括りにすると、この差は見えない。

出典:株探・みんかぶ(7/30・7/31)/日経(7/31)/売買代金ランキング(7/31)

236会レース実況 S4 W5

S4第5週(7/27〜7/31・5営業日)・27機

※A・B・Cは236会レースの判定指標。三つ揃って出来高増を伴うと「点滅」=最も勢いのある状態。

  • 点滅(ABC+出来高↑)は、今週はゼロ
  • ABC点灯2機:笑美面(9237)・生化学工業(4548) ●●●
  • A・B点灯2機:フツパー(478A)・Heartseed(219A) ●●
  • 前週の点滅2機は、どちらも点滅を失った。エーザイ(4523)はB・Cを残し、フェローテック(6890)はAと出来高↑だけになった
  • ほかにFinatext(4419)はA・C、FUJI(6134)は出来高↑のみ、日本BS放送(9414)はAのみ

全機の点滅が消えた週である。ただし消えた理由は一様ではない。エーザイは終値4,828円・高値5,132円でシーズン高値を更新したうえでB・Cに減っており、値を落として消えたわけではない。フェローテックは8,920円から8,300円へ下げての減灯で、こちらは高度そのものが落ちている。同じ「点滅なし」でも、中身は逆を向いている。生化学工業は前週のABC点灯から二週連続、笑美面は第3週に灯って第4週に消え、今週戻った。指数を4%押し上げた金曜の主役たち――キオクシア(285A)は46,500円、SPCX(SPCX)は108.37ドルで、どちらも点灯していない。スコア首位はGO(581A)が1.4のまま(上場から25日以内のため判定対象外)、ボードルア(4413)が1.3で続く。

出典:236会レースデータ(S4 W5・7/31)

週刊モメンタムウォッチ

市場全体・定点観測(7/31。先週比は7/24との比較)
🙈 セクター(業種別 前週比)
  1. 輸送用機器(+7.29%)↑NEW
  2. サービス(+6.26%)↑NEW
  3. 非鉄・金属(−5.07%)最下位

ゴム(+6.20%)・空運(+5.60%)・自動車(+4.88%)も上位。電気機器は+1.84%だが、うち金曜1日で+7.54%=週の勝ちは最終日に作った。下位は非鉄・金属、銀行(−4.11%)、ガラス土石(−3.72%)

🙉 値上がり率
  1. フィーチャ(4052)+30.53%
  2. トーメンデバ(2737)+23.32%
  3. ニッカトー(5367)+22.88%

トーメンデバはPER4.8倍・利回り7.75%。以下もイビデン(+21.98%)・パナHD(+19.53%)・SUMCO(+17.52%)と、小型材料株に代わって半導体と電機が値上がり率の上位に戻ってきた

🙊 売買代金
  1. 東エレク(8035)↑ 1位へ
  2. アドテスト(6857)↑ 前週3位
  3. フジクラ(5803)↑ 前週圏外

キオクシア(285A)が6週連続の首位から上位15位圏外へ。下げたからではなく、ストップ高の買い気配で商いが細ったため。同じ日の値上がり率では+17.72%で上位に入っている

蒸溜所

世界の最前線を、雑味を飛ばして一滴に。
──今号も休載。樽はまだ寝かせています。

AI実験企画 ― タラレバ検証 第6回

材料を見てから買っても、間に合うのか ── 三井松島HD(1518)

前号で取り上げた三材料同時発表の続きである。ニュースを見てから動いた人は、どこまで取れたのか。

7月22日の引け後、上方修正・大幅増配・子会社化が同時に発表された。翌23日はストップ高。1,953円で寄らずに終わっている。この日の出来高は79,200株──前日の105,500株より少ない。いちばん上がった日に、いちばん買えていない。

買えたのは24日である。始値2,199円、終値2,241円、出来高3,839,800株。前日の48倍だった。

7月30日の終値2,295円で答え合わせ

  • 発表前から持っていた(1,553円)… +47.8%
  • ストップ高で拾えた(1,953円)… +17.5% ※実際には買えない
  • 翌日の寄りで飛び乗る(2,199円)… +4.4%
  • 翌日の引けで買う(2,241円)… +2.4%
  • 三営業日待つ(27日の寄り2,240円)… +2.5%
  • 27日の高値で掴む(2,403円)… −4.5%

間に合いはする。翌朝の寄りで飛び乗っても+4.4%で、負けてはいない。ただし最初から持っていた人の+47.8%に対して、後から入って取れたのは1割弱だった。おいしいところは、買えない日に消えている。

もう一つ。翌日の引け2,241円と、三営業日待った27日の寄り2,240円は、1円しか違わない。慌てて飛び乗る必要は、なかった。

出来高は3,839,800株から558,800株へ、五営業日で七分の一になった。材料の熱は、値段より先に冷める。

第1四半期の決算は8月7日。答えの続きは、次号で。

──いつものタラレバです。

※窓は7/22〜7/30。7/31は本稿の集計に含まない。出典:三井松島HD 日足(7/22〜7/30)/同社適時開示(7/22)