AIアナリストの今週の振り返り
日経平均は金曜大引けで69,744円07銭、前週比+0.55%と小幅高で週を終えました。ただし週内の値動きは荒く、週前半は6月末配当の再投資資金流入が支えになったと見られ、7月1日に70,474円まで上昇した後、7月2日に1,741円安、7月3日に1,010円高と、大きな振れが続きました。VIXは19.96から15.96へ低下した一方、日経VIは34.11と高止まりしており、日本株のボラティリティ警戒は解けていないと見られます。TOPIXは前週比+2.55%と日経平均を上回り、物色の裾野は広がりました。ドル円は6月30日に一時162円台と約39年半ぶりの円安水準をつけた後、週末は161円前後で推移しています。米国市場はS&P 500が4-6月期に+14%と2020年4-6月期以来の上昇率を記録し、NYダウは7月2日の短縮取引を52,900ドル07セントの史上最高値圏で終えました。
構造面では、資金の回転が続いています。業種別の週間騰落率はその他金融+8.28%、空運+7.04%、銀行+5.41%、電力+4.90%、機械+4.96%と内需・出遅れセクターが上位に並び、電気機器は+0.76%にとどまりました。AI半導体の一服を受けた国内・出遅れ側への資金シフトという、前週からの流れの継続と見られます。短期の過熱感も出ており、騰落レシオ(6日)は7月3日時点で162.91と高水準です(25日は107.81)。米国では、年末のS&P 500目標を主要ハウスがおおむね8,000付近に置く強気コンセンサスが並ぶ一方、シラーPEレシオは41.6と過去140年で2番目の高さにあり、指数上位10銘柄で時価総額の約40%、今年の増益の約半分をAIインフラ関連が占める集中構造が続いています(Forbes、6月中旬)。強気の総意と細い柱が同居した状態で、市場は7月に入りました。
上値を抑えうる不確実性として、今号も3点を観点に置きます。①バリュエーションの高さ。シラーPE 41.6と上位10銘柄への集中は、AI設備投資期待の後退時に脆さを露呈する可能性があります。②米休場週明けの需給。建国250周年に伴い7月2日は短縮取引、7月3日は休場でした。薄商い明けの7月6日再開週は、ポジション調整の売買が出やすい点に留意しています。③前号から継続、SpaceX(SPCX)のロックアップ解除。7〜8月に集中する解除スケジュールと①②の需給の細さが重なる場合、AI関連全体への波及がありうる局面と見ています。
出典:日経新聞・騰落レシオ(7/3)・Forbes(6月中旬)・CNBC Market Strategist Survey・NYSE市場カレンダー
今週の動き ― 何が、なぜ上がったか
- 太陽誘電(6976)が前週の急落から一転、週間+22.5%の20,560円まで急反発。AI半導体関連の押し目買いの受け皿として、今週の戻り相場を象徴する1機に。
- キオクシア(285A)は売買代金首位を継続。金曜は+7,040円(+9.2%)と急反発したが、週間では92,180→83,300円の−9.6%。乱高下の中心にい続けている。
- コクサイエレ(6525)が金曜+1,570円(+15.0%)の12,000円で値上がり率上位に。出来高1,422万株と商いを伴った上昇。
- ソフトバンクグループ(9984)は週間6,226→6,169円とほぼ横ばい。全体が戻す中で戻りの鈍さが目立ち、6月急落の余韻を残す。
同じAI関連でも、戻る機と戻らない機がはっきり分かれた一週間。
出典:株探・日経(7/3)
236会・点灯サイン S4 W1
S4開幕週(6/29〜7/3)・27機
- フィーバー4機:ボードルア(4413)・エーザイ(4523)・FUJI(6134)・Finatext(4419) ●●●+点滅
- アイサンテクノロジー(4667) ●●● A・B・C点灯
- A・B点灯5機:ジーエヌアイG(2160)・酉島製作所(6363)・日本BS放送(9414)・フツパー(478A)・Heartseed(219A) ●●
- 部分点灯3機:豊和工業(Aのみ)・ソーシャルワイヤー(Bのみ)・テクノホライゾン(Bのみ)、ほかは消灯
- SpaceX(SPCX)・GO(581A)は新規上場から日が浅く25日線が形成途上のため、判定不能での消灯スタート
開幕週からフィーバー4機の滑り出し。W2でこの4機が「先行逃げ切り」か「開幕ダッシュの息切れ」か、点灯継続が最初の分岐点になる。
出典:236会レースデータ(S4 W1・7/3)
週刊モメンタムウォッチ
市場全体・定点観測(7/3。先週比は6/26との順位差)
🙈 セクター(業種別 前週比)
- その他金融(+8.28%)↑NEW
- 空運(+7.04%)↑NEW
- 銀行(+5.41%)↑NEW
内需・出遅れへの回転が2週連続。電気機器は+0.76%と出遅れ
🙉 値上がり率
- 窪田製薬HD(4596)↑NEW
- 海帆(3133)↑NEW
- ReYuu(9425)↑NEW
小型材料株が上位。大型ではコクサイエレ(6525)が唯一ランクイン
🙊 売買代金
- キオクシア(285A)→1位
- 太陽誘電(6976)↑NEW
- 東エレク(8035)↑NEW
先週2位のSBGは5位に後退。戻り局面の主役は太陽誘電へ
蒸溜所
世界の最前線を、雑味を飛ばして一滴に。
樽の熟成に時間をかけています。初留まで、いましばらく。
AI実験企画 ― タラレバ検証 第3回
前号は1機の「入口」を検証しました。今号は視点を広げ、「まとめ買い」を検証します。
お題:全機発進、3つのIN。236会の株レース・シーズン3(4/27〜6/26)。その開幕日に、もしも12銘柄をまとめて一括購入していたら?──個別の吟味より、まず全部に乗る、全機発進のタラレバです。同じ12機でも、飛ばし方は一つではありません。3つのINで比較します。
検証条件:予算120万円(1機10万円枠×12機)/売買はすべて終値ベース/最終決済は6/26終値/損切りルールなし
- A:握力がっちり(4/27に12機一括購入、最終日まで握りしめ)→ 約118.0万円 −1.7%
- B:簡易版MOTAルール(5日線が25日線を上抜けたら購入・下抜けたら売却、淡々とIN/OUT。クロスしない機は買わない)→ 約133.6万円 +11.3%
- C:暴落した日に買うルール(6/23=KOSPIサーキットブレーカー、日経−2,566円の終値で一括購入)→ 約116.5万円 −2.9%
Aは+38%の大勝ち機と−33%の大負け機が両極端に振れ、トータルはほぼ相殺。結果は「どの機を握ったか」の運に大きく左右されました。
Bは12機のうち2機が一度もクロスせず「買わない」判定になり、その2機の下落(−15%/−25%)を自動的に回避。乗らない自由が、そのまま守りになりました。
Cは「暴落の日に買えば得」とはなりませんでした。指数が暴落した日でも、12機の中には6/23がむしろ上ヒゲ天井だった機もある。指数の暴落と個別の底は、別の話でした。
握りしめても、暴落の日に拾っても、結果は誤差の範囲。ルールに委ねた簡易版MOTAだけが、はっきりプラスで着地しました。効いたのはリターンの上積みより、「乗らない」判断の自動化だった──。……タラレバなんですけどね。
※簡易版MOTA=MOTAルールを「5日線×25日線クロス」のみに絞った簡易版。税金・手数料は含みません。出典:236会レースデータ(4/27〜6/26)